「絶対の安心」をお届けするために、利高工業では「不良を作らない、不良を流さない」仕組みづくりを徹底しています。単なる目視によるチェックから脱却し、システムによる自動判定や、現場のデジタル支援モニターを駆使することで、ヒューマンエラーを極限まで排除。お客様の期待を超える品質を安定して提供するため、現場の自律的な改善活動と最新のDX技術を掛け合わせた、独自の品質保証体制を構築しています。

各取り組みの詳細

型材(アルミなどの材料)の一つひとつにQRコードラベルが貼り付けられており、それをスキャナーで読み取ると、切断機や複合機が自動で加工を始めます。QRコードの中には図面データがすべて入っているため、作業者が手で寸法を入力する必要がありません。

かつては「図面を見て加工プログラムを入力する」方式だったため、入力ミスによる加工不良のリスクがありました。自動加工の導入により、そのリスクをゼロに近づけ、品質を安定して担保できるようになりました。

アルミ加工ラインの例(滋賀東工場)

東工場のアルミ加工ラインでは、すべての型材にQRコードラベルを付与。スキャナーで読み込むと、設備のモニターに図面が表示され、そのまま機械が自動で加工を完了します。
「昔は人が手で寸法を入力していましたが、今は全部これで自動加工してくれて品質も担保されています。」


組み立て工程で使う部材を、作業前に正確に揃える(ピッキングする)仕組みです。支援モニターと連動した事前ピッキングシステムにより、必要な部材が格納されている棚の場所がランプで光って案内されます。

「どの部材を取ればいいか」を作業者が判断する必要がなくなるため、部品の取り違えや数量ミスを防ぐことができます。多品種の製品を扱う現場でも、正確なピッキングを誰でも実現できる環境を整えています。

ランプ案内による事前ピッキングシステム

棚の中の必要な部材の場所がピカピカと光って案内されるため、作業者は光っている場所から部材を取り出すだけで正確なピッキングが完了します。


自動加工設備の加工プログラムを、生産技術部が事前に作成・最適化しておく取り組みです。現場の作業者はCAM(コンピュータ支援製造)の指示に従うだけで加工が進むため、現場でのプログラム入力ミスや段取りロスが発生しません。

「事前プログラムをしていくことがもう一番重要」(生産技術部 辻)という考えのもと、寸法・穴径の確認を徹底するとともに、加工順序(近い場所から遠い場所へ)を最適化することで、加工時間の短縮とミスの防止を同時に実現しています。

生産技術部による事前プログラム作成(生産システム)

設備NC関係の加工プログラム担当者は「ミスをしないことが第1」という姿勢で、寸法・穴径などの確認を徹底。加工順序を近い場所から遠い場所へと最適化することで、サイクルタイム(加工完了までの時間)を短縮しています。「決められた時間の中でできるだけ多く、失敗なく作る」ことを追求しています。


利高工業における「次工程」とは、社内の次の工程だけを指すのではありません。最終的なお客様までを含めた、すべての次工程に不適合品を絶対に流出させない——これが、私たちの品質保証の大前提です。
かつての検査は、図面に記載された寸法を目視で確認し、チェックシートに記入する方式でした。しかしこの方式では、「確実に測定・検査した」という事実を立証することができず、目視ミスや転記ミスによる検査漏れを防ぐことができませんでした。
そこで利高工業は、検査の仕組みをゼロから見直しました。
新検査システムでは、図面に答えとなる寸法値をあらかじめ表示しません。作業者は実際に製品を測定し、その数値を自らシステムに入力します。
入力された値が規定の公差内に収まっているかどうかを、システムが自動で判定します。確実に測定して入力しなければ、検査完了にならない仕組みです。
これは、学校のテストで「答えを先に見せてから記入させる」のではなく、「自分で解いた答えを採点する」方式に切り替えたようなものです。
チェックを入れるだけの形式的な検査ではなく、実測値の入力と自動判定によって、検査の確実性を担保しています。
一見すると、従来より工数がかかる検査体制に見えるかもしれません。しかし、次工程——そしてお客様——に不適合品を届けないためには、この「確実に検査を完了させる仕組み」が不可欠だと私たちは考えています。

品質管理部による新検査制度の導入

「図面を見て答えを書くのではなく、図面の答えを消してしまって、作業者は実測値を入力しなければ検査が完了しないというチェック機構になっています。」(品質管理部 担当者)。
ここ数年で構築してきた新しい仕組みで、検査工程での精度を高めています。


各工程の現場に設置された大型モニターに、作業手順・図面・品質ワンポイント(注意事項)をリアルタイムで表示します。作業者は手順書を手に取ったり、別の場所に確認しに行ったりすることなく、目の前のモニターを見るだけで正確な作業が進められます。

「現場で大きな画面で、例えば図面を出して、こういうところを気をつけなさいよみたいなことをどんどん進めていって、生産の仕組みの方が間違えないような仕組みを今体制から作り変えてきている」(品質管理部 川添)。

品質ワンポイントの現場表示

支援モニターを活用し、品質ワンポイント(その工程で特に注意すべき点)をリアルタイムで表示。作業者が「知らなかった」「見落とした」というミスを防いでいます。将来的にはAIスマートグラスの導入も検討しており、さらなる作業支援の向上を目指しています。